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「甲子園」の眺め方

歴史としての高校野球

白川哲夫 編
谷川穣 編
定価:本体3,500円(税別)
在庫あり(2刷)
A5判・並製本・カラーカバー装
402ページ
初版発行年月2018年10月20日
ISBN:9784909782007

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本書の目次・序論全部、巻末資料の凡例・資料1の1ページ目(北海道の一部)をご覧いただけます。


■紹介・書評■

  • 『朝日新聞』2021年3月31日朝刊第2地域面(近畿圏のみ)「近畿 ほんのとびら」

  • 【書評】坂上康博氏(『スポーツ社会学』28巻2号、2020年9月30日)および編者による「書評に応えて」

  • 【書評】若林正博氏(『洛北史学』第22号、2020年6月)

  • 【書評】佐藤彰宣氏(大阪歴史学会『ヒストリア』276号、2019/10)

  • 書評】氏原英明氏(『しんぶん赤旗』2019年1月20日読書面)
     【書評全文】

  • 【紹介】『北海道新聞』2018年12月16日読書面
     【北海道新聞webサイト】


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■内容紹介■

 

 100年以上にわたって、日本社会に根付いたスポーツである野球。しかしその社会的定着や「人気」を集める所以を、日本人・日本社会の特殊性で片付けることなく、どこまで意識的に主題化して論じてきただろうか。

 本書は、旧制中学=新制高校の野球を主題に据えて、野球とその社会的位置や支える制度やモノ、意識の形成と展開を、さまざまな光をあてて歴史的に跡づける。

 それは、東アジア近現代史への理解とともに野球をとらえなおす、また逆に野球からとらえなおすことであり、そのことによって、「汗と涙と感動の物語」「野球ができる平和な世の中に感謝」という一般的な「甲子園」観を更新することができるだろう。

 「甲子園」という「汗と涙と感動の物語」をどう「眺め」直すか、歴史研究の立場からその対象としての可能性を確かめる。

■目次■

 

序 論 高校野球史の現在(いま)と可能性を探る(谷川穣・白川哲夫)


総 論 高校野球一〇〇年のあゆみ(中村哲也)


第1章 明治期宗教系学校と野球・研究序説 ―曹洞宗第一中学林を中心に―(谷川穣)


第2章 地域の野球を護るもの ―京阪の運動具店と中央運動社―(黒岩康博)


[コラム] 書いて楽しむ野球―大正期、京都一中の回覧雑誌から―(谷川穣)


第3章 植民地朝鮮と甲子園 ―在朝日本人中等学校の野球史―(小野容照)


第4章 満洲・台湾と甲子園(高嶋航)


[コラム]女子野球(高嶋航)


第5章 高校野球「雪国のハンディ」論の形成(白川哲夫)


第6章 全日本少年野球大会始末 ―もうひとつの甲子園―(冨永望)


[コラム]「本当の高校野球」への渇望 ―全国高等学校定時制通信制軟式野球大会とメディア―(西原茂樹)


第7章 高校野球部マネージャーの系譜 ―男子マネから女子マネへ―(高井昌吏)


第8章 甲子園大会の「国民的行事」化 ―一九七〇年代における新聞・雑誌報道の変容―(西原茂樹)


[コラム]「野球記者」鈴木美嶺 ―「甲子園に来ることができて幸福だった」―(萩原稔)


第9章 「公立優位県」富山県の分析 ―「夏の高校野球・都道府県大会決勝進出校データ」をもとに―(萩原稔)



高校野球・「甲子園」の歴史略年表


あとがき


資料 1夏の高校野球 都道府県大会決勝進出校データ(1948-2017)


   2夏の高校野球 都道府県大会決勝進出校における公立・私立比率(同)


   3春・夏の甲子園大会出場校における公立・私立比率(1948-2018)