山村は災害をどう乗り越えてきたか
山梨県早川町の古文書・民俗・景観を読み解く
中央大学山村研究会 編白水智 編集代表
定価:本体2,800円(税別)
在庫あり
A5判並製本
388頁
初版発行年月2023年2月13日
ISBN:9784909782137
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■紹介・書評■
- 【紹介】UTokyo BiblioPlaza(東京大学教員の著作を著者自らが語る広場(Webサイト))、加納靖之氏執筆
こちらから文章をご覧いただけます(UTokyo BiblioPlazaに飛びます) - 【中央大学山村研究会の紹介記事】『朝日新聞』山梨面、2023年6月10日
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■内容紹介■
脆弱で貧窮に見えがちな山村は、実はしたたかで大きな活力を持った地域であった――。
現山梨県早川町、近世に「早川入」と呼ばれた山間地域をフィールドとして、当地の人々が暴風雨・日照り・地震などさまざまな災害といかに向き合ってきたかを跡づける。
地元に残る古文書など歴史史料の調査・整理と丹念な読み解き、聞き取り調査や景観観察、それらを踏まえた現地での講演会や古文書講読会など、地域に密着した活動を三〇年にわたり続けてきた研究会の成果。
文理融合・学際的な視野に立ち、災害といういわば非日常の危機を切り口に、山村の姿をさまざまな側面から検証する。
そこから明らかになってきたのは、驚くほどに強靱で野太い山村の生活のありようや資源の豊かさであった。日本の山村が災害に直面して見せる強靱な姿を解き明かす。
■目次■
カラー口絵
はじめに
序章 フィールドから探る山村の歴史像 ―災害の視点と本書の立ち位置(中央大学山村研究会)
Ⅰ 早川の自然条件と災害
第1章 早川の災害と地形(長谷川裕彦・佐々木明彦)
第2章 古文書に描かれた森林の様相から災害リスクを考える(小山泰弘)
Ⅱ 災害と技術
第1章 水害への対応と治水技術(西川広平)
第2章 災害復旧にみる往還の御普請と利用(高野宏峰)
Ⅲ 災害と社会
第1章 災害をめぐる山村と領主(白水智)
●コラム1 貯穀と早川入の村々(岩橋清美)
第2章 山村の災害と歴史語り(柴﨑啓太)
第3章 災害と作物被害(成畑誠)
●コラム2 近世山村の飢饉(山本智代)
第4章 山の地震誌(寺島宏貴)
●コラム3 山村と地震(加納靖之)
Ⅳ 災害の幸いと祈り
第1章 災害の幸い(田中悠介)
●コラム4 現代の早川に暮らす人々の災害の乗り越え方(柴田彩子)
第2章 御普請世話人斎藤善左衛門の狂歌づきあい(鈴木努)
第3章 山村における病とまじない(赤澤春彦)
第4章 災害と民俗(松本美虹)
●コラム5 歴史学と民俗学のはざまで(西村敏也)
Ⅴ 地域史料をたどって
第1章 山村研究会と早川調査(荒垣恒明)
●コラム6 中央大学山村研究会創立のころ(福田英一)
第2章 災害跡地を歩く(中央大学山村研究会)
●コラム7 獣害への対応(中西崇)
終章 災害から読み解く早川入の山村世界(早田旅人)
早川災害史年表 近世編(高野宏峰 責任編集)