学校で地域を紡ぐ
『北白川こども風土記』から
菊地暁 編佐藤守弘 編
定価:本体2,800円(税別)
在庫あり(2刷)
A5判
408頁
初版発行年月2020年6月25日
ISBN:9784909782052
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本書の本文より、本扉(イラスト:谷本研)はじめに(菊地暁執筆)・目次をご覧いただけます。- 文化運動としてのこども風土記 『学校で地域を紡ぐ―「北白川こども風土記」から―』発刊記念トークイベント第一夜
- リサーチ・アート論 『学校で地域を紡ぐ―「北白川こども風土記」から―』発刊記念トークイベント第二夜
- 学校資料論 『学校で地域を紡ぐ―「北白川こども風土記」から―』発刊記念トークイベント第三夜
- 学校教育と郷土資源 『学校で地域を紡ぐ―「北白川こども風土記」から―』発刊記念トークイベント第四夜
- 2刷記念トークイベント「『戦後日本の文化運動と歴史叙述』をめぐって」
- 2刷記念トークイベント「学校で版画を彫る」
- 【書評】高野光平氏(『文化資源学』第20号、2022年6月30日)
- 【紹介】菅豊氏(「アンケート 東大教師が新入生にすすめる本」『UP』(東京大学出版会PR誌)2022年4月号)
- 【紹介】飯川晃氏(せんだいメディアテーク「コミュニティ・アーカイブ・ラボラトリー」コラム 2021年12月15日、Web媒体)
こちらからご覧いただけます - 【紹介】山﨑久登氏(『地方史研究』413、2021年10月1日)
- 【書評】和崎光太郎氏(『関西教育学会研究紀要』21、2021年8月31日)
- 【書評】『人文学報』(京都大学人文科学研究所紀要)第117号〈書評特集〉菊地暁・佐藤守弘編『学校で地域を紡ぐ―『北白川こども風土記』から―』
執筆:菊地暁、高田雅士、飯田豊、𡌶美智子、林潤平、和崎光太郎、重信幸彦、志村真幸、花田史彦、松田法子、佐藤守弘
- 【紹介】村上忠喜氏(『日本民俗学』306、2021年5月28日)
- 【書評】須永哲思氏(『日本教育史往来』(日本教育史研究会)No.251 2021年4月30日)
- 【近刊短評】安田敏朗氏(『ことばと社会』編集委員会編『ことばと社会』22号, 三元社, 2020年10月30日)
- 【紹介】佐藤守弘氏(表象文化論学会Newsletter『REPRE』Vol.40, 2020年10月20日)
こちらからご覧いただけます - 【書評】石原俊氏(『図書新聞』2020年9月19日付)
- 【紹介】『福井新聞』2020年9月(編者の一人佐藤守弘氏へのインタビュー、共同通信配信)
- 【紹介】『琉球新報』2020年9月(編者の一人佐藤守弘氏へのインタビュー、共同通信配信)
- 【書評】和崎光太郎氏(週刊『京都民報』2020年8月30日)
- 【書評】金田章裕氏(『京都新聞』2020年8月16日読書面)
- 【紹介】『信濃毎日新聞』2020年8月10日(編者の一人佐藤守弘氏へのインタビュー、共同通信配信)
- 【紹介】『読売新聞』2020年7月8日京都面(編者二人への取材記事)
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京都盆地の東北、京都市北白川の地で、1946年生まれの「戦後の子」の3年間の課外学習をまとめた成果『北白川こども風土記』(1959年)。
民俗学、歴史学、考古学、学校資料論、アーカイブズ、視覚文化論、メディア論……、さまざまな分野の研究者、クリエーター、ファシリテーターたちが、この不思議な魅力をたたえたテクスト、それを生み出した北白川という地の歴史的・文化的コンテクストと向かい合い、議論を経てまとめた一書。
その先に照らし出されるのは、多様な情報と社会関係が交錯する、地域の結節点としての学校の過去・現在・未来。
北白川から、さらにいくつもの〈こども風土記〉へ――これから地域で歴史と文化を紡いでいくための、多くのヒントを投げかける。
はじめに(菊地暁)
『北白川こども風土記』抄
(『北白川こども風土記』から8編を復刻再録)
大文字の送り火/石器時代の北白川/白川街道を歩いて/小さなおじぞうさんたち/天神さんのお祭/湖から盆地へ/白川石と石屋さん/古い地名は生きている
『北白川こども風土記』目次項目一覧
北白川こども風土記の出来るまで(山岡亮平)
序章 学校で地域を紡ぐ ―北白川から、さらにいくつもの〈こども風土記〉へ(菊地暁)
はじめに あらためて「これはおどろくべき本である」
1 『北白川こども風土記』の解剖学
(1)「花うり族」と「大学族」:北白川という地域
(2)「おじさん」と「おとうさん」:子どもたちのサポーター
(3)映画版と『郷土学習のしかた』:二つの映像化
(4)郷土史と郷土資料:その後の北白川
2 〈こども風土記〉の系譜学
(1)柳田國男と宝塚歌劇:『こども風土記』とその舞台化
(2)銃後そして大東亜:戦下の〈こども風土記〉
(3)〈こども風土記〉の時代:一九五〇年代まで
(4)高度成長以降のこども風土記:一九六〇年以降
おわりに:「あんたとこやからできたのや」を超えて
《コラム1》北へ渡った『北白川こども風土記』―北海道綴方教育連盟事件と坂本亮(菊地暁)
《コラム2》敗北の「こども風土記」(福島幸宏)
《コラム3》「こども風土記」の魅力に迫る ―「発見者」から「発信者」へ(一色範子)
こども風土記一覧
第1章 京都市立北白川小学校の郷土室 ―学校博物館の活動とその役割の可能性(村野正景)
1 『北白川こども風土記』誕生のきっかけ ― 北白川小学校郷土室 ―
2 「学校博物館」の一つとしての郷土室 ― 学校博物館の誕生と展開 ―
3 北白川小学校「郷土室」の特設前夜の学校博物館
4 北白川小学校「郷土室」の特設
(1)郷土室設置の契機とその背景
(2)郷土室を作った教員たち
(3)郷土室の展示構成と展示品
(4)郷土室の位置と空間
(5)理科研究集会後の郷土室
5 郷土室の新設とその利用
(1)新たな場所に設置された郷土室
(2)郷土室の利用
6 その後の郷土室
7 今後の「学校博物館」と継承されてきた資料の価値の多層化
第2章 地域のちから ―『北白川こども風土記』の出版(堀内寛昭)
1 『北白川こども風土記』との出会い
2 京都大学の存在
3 出版のきっかけとなった郷土室での原稿展示
4 北白川小学校創立八〇周年記念事業
5 寄付金から見える教育向上への期待
6 保存と活用に向けて
《コラム4》『北白川こども風土記』にかかる学校所在資料(村野正景)
《コラム5》北白川小学校と「おやじの会」(池側隆之)
第3章 〈先生たち〉〈おじさんたち〉と地域の歴史(黒岩康博)
1 〈先生たち〉と郷土研究 ― かく ―
2 〈おじさんたち〉と郷土研究 ― かたる ―
第4章 戦後社会科教育と考古学(石神裕之)
1 北白川の遺跡・史跡の発見
2 新しい社会科の誕生と郷土教育の発展
3 月の輪教室と「概念くだき」の武器としての考古学
4 和島誠一の「郷土教育」論
第5章 評言からみえるもの ―小中「総合的な学習の時間」から「生涯学習」へ(高木史人)
1「語りの水準」と「評言の重なり」と
2 ストーリーの中に評言性が込められている
3 話者の評言から新しい解釈が生まれる
4 聴き手の評言が新しい伝承を創り出す
5「総合的な学習の時間」から「生涯学習」へ
《コラム6》上山春平と北白川城(菊地暁)
《コラム7》小林行雄と北白川(石神裕之)
こども風土記33選〈カラー掲載〉(一色範子・菊地暁・佐藤守弘)
白川道中膝栗毛〈カラー掲載〉(谷本研・中村裕太)
「白川道中膝栗毛」について(佐藤守弘)
第6章 綴ることと彫ること―『北白川こども風土記』の視覚(佐藤守弘)
1 『北白川こども風土記』と視覚的イメージ
2 『山びこ学校』と生活綴方
3 『夜明けの子ら』と生活版画
4 ミニ・メディアとしての版画文集
5 『北白川こども風土記』の視覚
《コラム8》映画『北白川こども風土記』と脚本家・依田義賢(森脇清隆)
映画『北白川こども風土記』(佐藤守弘)
映画『郷土学習のしかた』(菊地暁)
第7章 関係性を紡ぐ ―ディア・プラクティスとしての『北白川こども風土記』(池側隆之)
1 「記録」を軸とするメディア・プラクティス
2 コミュニティとメディア
3 価値発見過程という物語 ① 農山漁村文化協会
4 価値発見過程という物語 ②『北白川こども風土記』
5 メディアミックスまたはクロスメディア
第8章 新編 湖から盆地へ ―北白川の地形と風土 その成り立ちと変遷(藤岡換太郎)
はじめに:旧編「湖から盆地へ」
1 近畿の大構造と地質
2 北白川の地形と地質
3 白川の流路を歩いて
4 白川扇状地の断面
5 北白川の災害小史:洪水と地震
6 この半世紀の間に何が変わったのか:環境と文明の変遷
あとがき(佐藤守弘)